街の子どもたちの読解力の未来

 日本の「若者の読解力低下が浮き彫りになった」とニュースで流れていた。先日、公表された(0ECDの)国際的な学力調査結果だ。

 「中年(おじさん)の漢字力低下」というニュースなら、私が該当してしまう。ホワイトボードに文字を書きながら打ち合わせをしていると漢字が思い出せないことはよくある。そんな時、若い先生が「『ノ』書いて横棒です」、などと教えてくれる。

「中年の漢字力低下」はニュースにならないが「若者の読解力低下」はニュースになる。将来困ったことが予測されるからだろう。

 園便り「風の顔通信9月号」に2冊の本を紹介した。

「AI vs 教科書が読めない子どもたち(新井紀子 著)」 

「AIに負けない子どもを育てる(新井紀子 著)」(続編)

 これからを生きていく子ども達のことを考える上で参考になることが書かれている。

2冊目には、「読解力向上の活動を通して得た知識から、主観と論理でまとめた」と断った上で、読解力向上させる幼児期・児童期の教育のあり方が書かれている。「幼児期」の項目では、荒尾第一幼稚園が大切にしていることとかなり重なる。

 この本の著書は、RST(リーディングスキルテスト)という読解力を調べるテストを開発し活動している。ある市町村からそこで実施したRSTの分析結果を講演会で講評してほしいと依頼されたそうだ。その結果、小中学校の学力テストの結果や表面的と思われる状況を言い当てていたそうだ。

気になって、荒尾市や近隣市町村の学力テスト結果を検索してみた。するとその本に書かれている市町村の状況と同じような傾向を感じた。あくまで簡単にアクセスできるデータや数年前の議事録を読んで素人が憶測しているだけだが。本に書かれていることに該当しそうな検索記事だけ目についたのかもしれない。

私が気になるのは「表面的と思われる状況」。もし本に書かれている状況が私たちの住む街に該当してしまうなら、早めに気づいてしかるべき対応することが、子ども達のためになる。それは読解力向上につながる。

しかるべき人に本の内容と、地域の子どもたちの状況と照らし合わせていただくことを私は願っている。まったく的外れ、見当違いならいいんだけど。