
宇梶達也
遊びの時間が終わり、みんなが部屋に入った頃、ひよこ組の女の子がふたり、園庭に残っていた。向き合って縄跳びの両端を、大縄飛びをまわすような感じで持っている。楽しそうな雰囲気だ。美穂先生は、テラスから、二、三回、これからの活動を告げたが、その楽しそうな雰囲気が今の時期は大切と捉え、そのまま見守ったようだ。そこに車庫から出てきた二美おばちゃんが、女の子達に気づき、縄飛びの前に立ち「とばせてー」と言っている。ひよこ組の女の子達は、嬉しそうに縄を揺らす。体も弾んでいる。自分たちがしていることに、他の人がかかわりたいと言ったことが、とても嬉しいといった感じだ。弾む姿は、私たちって素敵!と叫んでいるようにみえる。
美穂先生と二美おばちゃんの連係プレー。当然二人は、打ち合わせなどしていない。でも、向いている保育の方向が同じなので、連携プレーになってしまう。遠くから見ていた僕は、「うちの幼稚園、なかなかいいんじゃないかな」と思えてしまった場面だった。子どもの内面を見ようとしなければ、あのひよこ組のふたり、部屋に入らないことを怒られてしまいかねない。彼女たちの時間を見守ったことは、単に「自由を与えた」でも、「あまやかし」でもない。普通の保育だ。
女の子達は、満足が一段落したのか、ひとり一人、部屋に入っていった。