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少しずつ 少しずつ変わっていくもの

宇梶二美


 幼稚園というところにいると、たくさんの子どもに出会います。その子どもたちを見ていると、「みんな違うんだ」という当たり前のことが、又一段とよーく見えてきます。それが見えるから、一人ひとりの子どもの成長の違いと、大切にしたいものが見えてきます。多分お家では見られないような、ささやかな変化、成長を私達は感じることができて喜びを感じていられるのではないかなと、「へへへー いいだろう」と自慢したいような気持ちです。たくさんの子どもの中にいるからこそ、よく見えてくる一人ひとりの姿だと思います。例えば、とっても恥ずかしがり屋の子どもが、先生になかなか接近できないというときがありますが、その子がある日ある時、背中に自分の身体をくっつけてきた時、「やったー!」という喜びです。「絵を描けない」と言ってなかなか白い画用紙の上でクレヨンを持ったまま動かなかった子が、ある日ある時、嬉しそうに自信をもって描いたとき、「やったー!」という気持ちです。勿論その背景には、その子とのたくさんの関わりがあり、今日が明日という変化ではなく、何日も何日もかけての少しずつの変化の中で、ついにきたー!という時があるのです。だから喜びも大きいのです。このように、一人ひとりの言葉ではなかなか言い表せないような変化を感じ取れるような幼稚園の生活ができて嬉しいし、誇りでもあります。集団生活というのは、一歩違えば、一人ひとりがうずもれていくことになるのです。集団生活の中で何よりも大切なことは、一人ひとりが安心して自分を出せる環境を作ってあげることだと思っています。そこから全てが始まります。その子の今の姿が見えないのでは、本当の成長は見えないと思うのです。
 今、新しい春を迎え、新しい生活が始まっています。先日お祝いをしたいような子どもの姿がありました。先生がいての安心した遊びをずーっとやっていた子が、ついにお友達と動き出したのです。「やったー!」嬉しくて嬉しくてたまりませんでした。進級の仲間と新入の仲間が遊びの中で会話をしている姿も見かけました。これもやっぱり「やったー!」と嬉しかったですね。これが次の日もというわけではないのですが、これは最初の一歩なんですよね。毎日、毎日子どもたちの姿が変わっていきます。ゆっくり ゆっくり 少しずつ 少しずつ… その子がその子らしく なんですね。大切に関わっていきたい、そして喜びを感じていたいものです。