荒尾第一幼稚園 保育の発展史

2018年新しい幼稚園教育要領改訂

 新しい幼稚園教育要領改訂。資質・能力、10の姿、主体的・対話的で深い学び、新しい言葉が出てきました。難しいけど、理解が深まりそうと思えるものでした。

それでも最初に私(園長)が躓いたのは「知識の基礎」と言う言葉。「知識の基礎ってなんだ? 優しい知識ってことか。どんなに簡単な知識でも知識は知識じゃないか」と。どんなに考えても理解できなかったことがピアジェのシェマや構成主義についての文章を読んで、霧が晴れていくように私なりに納得できました。心が動かされる体験(簡単に言うと「遊び」、多様な体験、主体的な活動)の大切さを説明できる言葉を得た思いでした。資質能力の育成など、新しい幼稚園教育要領や学習指導要領の考えを地域に説明いくことは、子どもたちの幸せにつながると強く思います。

【園庭の雨樋、コンテナ、漏瑚】

体験の質を向上させるための環境づくり。協同の活動や探究する環境を作るために雨樋、コンテナ、漏瑚の数を検討する。

【土粘土】保管していた土粘土を活用しはじめる。

【ごっこランド「セット」から「想像」への見直し】

ごっこ遊びの番組。セットを作ることによって世界観を作ることから、想像で描けばセットがなくても世界観を描けることに気がつきました。参考にしたのは朗読劇の手法です。演技の一部などを丁寧に作り込むと、物語の奥行きを感じます。なるべくセットを減らして想像で補えるようにしたため、物語の場面転換が容易になりより物語の可能性が広がりました。

【保育者全員がiPadを持つ】

iPadの写真を見ながらミーティングをするなど、保育の共有が深まる。ドキュメンテーションが作りやすくなる。

【保育室の棚・ダイニングテーブル】

保育室環境の機能アップ。素材置き場をたくさん作る。
保育室にダイニングテーブを設置。子どもたちの製作活動の拠点となる。

【選んで活動・プロジェクト活動】

クラスで大きなものをみんなで作る。これが何日も続き、工夫や協働を生み出し、環境を通した保育が展開し始める。現在、その形態が「選んで活動」として定着する。

【中庭】
自然や不思議に出会う場、中庭・畑ができる。
年長組はごっこランドの劇に使う大背景画を中庭の壁を使って製作する。以後、恒例の活動となる。

【OHP】光と影と色の活動が充実

【iPad園児用】
iPad園児用を増やす。映画作りの人形作り(ペープサート)をiPadで制作するようになる。演出や話し合いにたくさん時間をかけられるようになる。

【iPadでBGM作り】
ごっこランドの年長組劇では、iPadによるBGM製作が始まる。以後、2021年の1学期にはお化け屋敷BGM作りに発展する。

【保育室にイーゼル・絵の具環境の充実】

溶き方の違う絵の具を用意するなど画材を選択できる環境等作る。大雑把な製作物を塗るところ、絵を丁寧にかける場所、絵の具の痕跡遊び

2020年代

保育室環境の充実

2020年

【探究・気づきが園内研修のテーマ】

遊びの場面で気づきや探究の場面を写真に撮り、園内研修を行う。それを動画にしてYouTubeで保育の説明を試みる。現在も「保育の説明」は試行錯誤中。

【デジタルサイネージ・情報公開】

お遊戯室横の窓に大型テレビを設置して日常の子どもの写真をスライドで流す。

【保育者の仕事を見直す(2)】

保育の準備時間のさらなる確保。残業をなくす。さらに休憩時間を確保するため、15分刻みの園務分担表を作成する。学校の給食当番を知らせる円の当番表のようなものでは作れなかった時間を作り出すことができた。降園時間も保護者に協力していただき、短時間に圧縮。これは大きな意義のある見直しになったと思います。

2021年

【A3のドキュメンテーション】

日常的に手軽に製作できるようにフォーマットなど改善する。ドキュメンテーションの製作サイクルを早める。

2022年

【年中組保育室に雛壇】

保育室に集合場所の雛壇を設置する。保育室環境を見渡せたり、その後高さのある活動が生まれやすくなる。

【工房設置】

木、金属、白砂、ビー玉、土粘土、石、たくさんの物と出会う半屋外空間の「工房」を設置。

【各保育室に子ども用デジカメ】

各保育室にデジカメを置いて、子どもが自由に使えるようにする。

【お遊戯室に様々な色の布】

表現活動・ごっこ遊びで何かに見立てたりする「布」をすぐに使えるように置く。

2023年

【保育室の素材置き場・充実】

保育室の素材の並べ方をさらに充実させる。職員が利用する園内の置き場も改善し充実させる。

【想像で遊ぶ空間・お遊戯室】

想像で遊ぶ空間としてお遊戯室を改造。床を張り替え、舞台袖幕などをつけて、物語に没頭しやすく即興劇が行いやすい空間にする。

【見方・考え方を生かした保育】

現在、「数日間にわたる造形活動」は、子どもたちの日常になっている。お化け屋敷、恐竜たちのいる場所、OHPのお話作り、100かいだてのいえ、そら、エレベーター、太陽系、立体の「100かいだて」など。

現在の「園内研修」のテーマは「見方・考え方を生かした保育」の「生かした」の部分。どのような環境で保育が展開していくのかを職員で研修しています。

いつの時代も保育が良くなるように全力で力を注いでいました。「もうこれ以上は出来ない」と思うくらい。それでも毎年、新しいことに気づきます。そのたびに卒園生たちにすまない気持ちになります。「あの時は気づかなくてごめんね」と。そして感謝の気持ちも。たくさんの子どもたちと、先生たち・歴代の先生たちと、そして本当に暖かく見守って全力で保育に向かわせてくれた保護者の方々。みんなのおかげで荒尾第一幼稚園の保育は発展して行きます。この後の行に、どんなことが書かれるのでしょうか。今も保育が楽しくてたまりません。

2023年7月 園長 宇梶達也