「スポイトと絵の具」〜偶然の事象を価値に変える感性と、探究の芽生え
遊びの中にたくさんの学びがあります。どんな学びがあるか言葉にしてみました。「遊びの保育」、「環境を通した教育」の大切さが、地域に広がることを願っています。
【社会的模倣と自己選択・技術の情報】
朝のお集まりで、ある子に昨日したデカルコマニーの話をしてもらう。すると
「私もやりたい!」
と集まってくる。準備していた筆とスポイトに気づき、それぞれの方法で楽しみ始めた。
「(自分も)やる!」友達が色を重ねている様子を見て、同じように重ねている。
【科学的探究の芽生え】
「見て!なんか分厚いよ!」
色が混ざっている様子ではなく、
絵の具の水分が紙の上でぷくっと盛り上がって見えることに興味を持っている。
「本当だね!何でそんな膨れてるんだろ」と保育者は声をかけ一緒に考える。
【意味の再構成】
「こぼれてるけど綺麗だよ!」
大きな声で、服が汚れるとかいう前に、
混ざった色の綺麗なことに驚いている。
【活動の手順を再現】
「こうするんでしょ」と画用紙を折り畳み、手でぎゅっぎゅっと押している。この後も4枚作っていた。
【確かめようとする気持ち】
「どうやってするの?」
と静かに保育者に聞く。スポイトが足りなかったが「今」と思って、保育者はスポイトを取りに行く。保育者は隣に座り、説明する。
やってみる。色んな色をスポイトで垂らす。
【言語化による思考の整理】
「見て!変な色になった!」
スポイトで垂らし、重なった色を見て、色が混ざっている様子を観察している。
「何色使ったの?」と保育者が聞くと
「紫と青と黄色だよ」と一つ一つ説明する。
【関心の対象を移しながら、試して確かめる力】
「あのさ、この水に垂らしたらどうなるんだろ」
と筆を洗う水に注目し、
スポイトで垂らしてみる。
特に何も言わず、でも同じ動作を繰り返す。
保育者も隣で同じようにする。
【「沈黙」を共有する安心感】
【環境を越えた学びの継続】
この後、工房で同じようなことをしていた。部屋でしたことの続きをしているのだろうか。
——
大人から見ると、一見「そんなところに学びがあるの?」と思えるような遊びの瞬間にも、子どもにとってはたくさんの学びが詰まっています。なぜなら、目の前で起きていることの多くが、子どもにとっては「人生で初めて出会う現象」だからです。
自ら環境に関わり、驚き、試行錯誤する中で学んでいきます。「学び」というと「頭」を思い浮かべるかもしれませんが、身体から学んでいきます。
「遊びの中にある豊かな学び」を、地域の子どもたちに広く届くことを願っています。
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