物語で遊ぶ「かえるくんとさくら組の神隠し」実践記録2

実践記録1からの続き

「ごっこランド!2019」年長組ごっこ遊び

年長組は「千と千尋の神隠し」を元にしたストーリーで遊びました。子どもたちは事前に内容を知りません。活動は今まで保育や遊びの中で行ってきたもので構成しています。
以下、解説を交えてレポートします。

千と千尋の神隠し
大浴場作り

「そこの箱を崩して、ここに風呂を作りな」湯婆婆の命令で働く「さ」組。
牛乳パックで家を作る子どもたちですから、段ボールをお風呂に見立てることは簡単です。

千と千尋の神隠し
大広間を汚すススワタリ

お風呂が出来上がった頃、ススワタリが大広間を汚してしまいました。遊んでいるように見えますが、宴会場の脱臭という仕事をしています(裏設定)。

千と千尋の神隠し
雑巾掛け

並んで雑巾掛け。遊びなのか、劇なのか、どういうつもりか分かりませんが、まじめに働く「さ」組です。結構な運動になります。

千と千尋の神隠し
ご注文は何にしましょう?

神様たちをお迎えしての宴会のシーン。小道具なしで注文を聞いて、注文された食べ物を持っていきます。小道具を極力使わないのは場面転換をスムーズにするためです。この「さくら組の神隠し」は13年前に一度行いました。その時、小道具なしでの宴会シーンがうまく行くのか、心配しながら行ったのを覚えています。実際には上手くいきました。そして今では、子どもたちがこのようなシーンを難なくこなすことができることを私たちは知っています。

千と千尋の神隠し
「おかえりください!」

腐れ神登場。委員3名、中に入ってじわじわ歩いてきます。
先生が「なんだこの臭い!」と鼻をつまみます。すると子どもたちも鼻をつまみました。「おかえりください、おかえりください」とやってくれました。

この時の子どもも「わかってるじゃん!」と頼もしさを感じます。この子どもたちの力は「場を読む力」「勘の良さ」とでも言えば良いでしょうか。これは学習の転移や知識の再利用、再構成・再構築につながらないかなと、私は(勝手に)考えているところです。

千と千尋の神隠し
大浴場に入ったおくされ様

「このお方は腐れ神ではないぞ。一列にお並び!」

千と千尋の神隠し
「心をひとつにして引けー!」

ロープを持って綱引き。「そーれ、そーれ、抜けました!」

千と千尋の神隠し
浮かび上がる河の主

「やった!」「よくやった!さ組」
河の主が浮かび上がって、退場していくタイミングは音楽に合うように何回か練習してもらいました。

千と千尋の神隠し
神様たちからも祝福!
千と千尋の神隠し
「飲み込まれるな!」

喜びも束の間。凶暴なカオナシ 登場。
カオナシが怖すぎるといけないので、この活動が始まる前の幕間、カオナシの衣装を見せて「これは先生たちが中に入って動かすからね」と特に年少組と年中組に伝えてから始めました。

物語で遊ぶ「かえるくんとさくら組の神隠し」実践記録3につづく

物語で遊ぶ「かえるくんとさくら組の神隠し」実践記録1

「ごっこランド!2019」年長組ごっこ遊び

年長組は「千と千尋の神隠し」を元にしたストーリーで遊びました。子どもたちは事前に内容を知りません。活動は今まで保育や遊びの中で行ってきたもので構成しています。
以下、解説を交えてレポートします。

千と千尋の神隠し、冒頭シーン、朗読劇
冒頭の朗読劇シーン

シンプルな舞台構成で行う朗読劇は子どもたちの想像力を掻きたてます。情報量の加減に難しさがあります。少ない情報で登場人物の周りにある空間を描けるかが勝負。BGMに自動車の走行音をミックスしたものを使いました。そして委員さんと先生の世界観を作り出す演技。子どもたちを話の世界に引き込みました。

千と千尋の神隠し
黒い影に怯えて、ぶたに驚く千尋

千と千尋の神隠し
「助けに行こう!」

台本を作る段階で、以前から「困っている人がいるから助ける」という感情が動いて行動する場面は作れないかと思っていました。今回は子どもたちが物語に入ってくる場面にしました。駆けつける子どもたちに千尋は「いや!」と拒否反応をしめします。映画にもある場面です。せっかくさくら組が助けに来たのにその気持ちを折るようなセリフですがあえて入れました。子どもたちは千尋の心中を察したかのように静かに見守りました。


千と千尋の神隠し
息を止めて橋を渡る場面

何度か委員さんと練習している時に、のちの宴会シーンあたりで「カオナシは登場しておかなくて良いのか」という意見を聞きました。当初の台本ではいきなり暴れるカオナシ が初登場のシーンでした。魅力的なキャラクターなので通常の状態で登場したらカオナシ に集中して混乱してしまうかなと、登場させないでいたのですが、少し引っかかっていた事でした。そして映画と同じ、この橋の場面なら混乱しないと思いつきました。

「息を止めて」ごっこ遊びの世界を楽しむ子どもたち。なんと表現して良いかわかりませんが「わかってるじゃん!」と子どもたちが頼もしく見えました。


千と千尋の神隠し、釜爺
釜爺とススワタリ

ボイラー室で釜爺から仕事をさせてもらうシーン。釜爺とススワタリは保護者委員。ススワタリは視界がせまく箱の移動やタイミングが大変でした。スムーズに行くように考えてもらいました。笑みがこぼれてしまう楽しいシーンになりました。


千と千尋の神隠し
煙突作り 箱積み

年長組の箱積みは運動会競技から経験している事。協力して箱を高く積み上げます。


千と千尋の神隠し、グッドラック
グッドラック!

「世話になったんだろう?お礼ぐらい言えないのか」とのリンの言葉に元気に「ありがとうございました!」と返す子どもたち。ここはもっと弱々しく言うかなと思ったのですが、きちんとしていました。そして菅原文太を踏襲した「グットラック!」。会場から笑いが起きました。


千と千尋の神隠し、湯婆婆
「働かせてください!」

湯婆婆の部屋。かしらはお父さん委員。「ピョンピョンとランダムに跳んでください」とお願いしたので、きついスクワットの状態です。感謝です。おかげで子どもたちを物語に包み込む圧倒的な場面になりました。


千と千尋の神隠し
影ふみ

湯婆婆から俊敏さを試験されるさくら組。影は違う方向に2回出ます。影が出た時、素早く踏みます。
素早い動きの試験に合格すると、どこからか坊の泣き声。
「働かせてください!」「わかったから静かにしておくれ!」


千と千尋の神隠し
「さくら組? お前たちは今日から『さ組』だ」

「契約書にお前たちのクラスの名前を書きな」一枚の紙に1文字ずつ「さ」「く」「ら」と書きました。すると「く」と「ら」がどこかに飛んでいき「さ」が残ります。

「おまえたちは今日から『さ組』だ。その箱でここに風呂を作ってフロアの雑巾掛けだ!」「はい!」

以下、物語で遊ぶ「かえるくんとさくら組の神隠し」実践記録2 に続きます。

ごっこランド!2019 速報

本番、「神隠し」の朗読劇の場面。舞台袖から

物語に集中している様子
思うままに活動している様子

様々な場面での子どもたちの笑顔から
「ごっこランド」という濃密な想像の空間を
作り出せたのではないかと思えています。

卒園した子どもたちをはじめ、卒園した先生や保護者の先輩方も
来ていただいて、とても嬉しく思います。

ご来場いただいたみなさん、
頼もしいSTAFFのみなさん、
ありがとうございました。

後日に本番の様子ダイジェストなどアップします。

ごっこランド前日

ごっこランド、前日の委員さんとのリハーサル終わりました。
明日、子どもたちが加わって、どんな物語が作られるのか。
子どもたちが心の中に何を描くのか。
とても楽しみです。

帰りがけ、小ホールのロビー

年長組 劇作り 「15ひきのねこ ふくろのなか」

キーワード

  • 小道具作り 過去に使った技法を活用(学習の転移)
  • BGM作り iPadを利用した創作活動(育ちの可能性を拡張するツール)。友達の作品を認める姿。
  • 背景製作 巨大絵画 協同製作
  • 劇の練習 振り返りで自分たちの上達を感じる(メタ認知)
  • 意欲、学びに向かう力

ごっこランドまでの道のり

目的を共有し、友達と一緒に劇をつくり上げる喜びを

 ごっこランドに向けて期待が膨らむとともに「あと◯日」と日にちを意識しながら見通しを持って自分達の活動を進めている子ども達です。

 ごっこランドまでの過程を大切に、一人ひとりが自分の力を発揮しながら友達と一緒に協力してやり遂げようとする経験を重ね、自信につながるようにしていきたいという思いで取り組んでいるところです。

こんな力が育つといいな

  • 今までに経験してきたことを取り入れながら、互いにイメージを言葉で伝え合い進めていき、劇を作り上げていく楽しさ
  • 自分の力をはっきしている姿を認め合いながら、みんなで一緒に表現する楽しさを味わうこと
  • 自分達で主体的に関わりながら見通しを持つ力

小道具作り

劇で使うものをみんなで、どんな風に作るか考える時間を作りました。

◎「運動会の門で作ったみたいに、テープで文字を作れば?」
◎「花の棒(茎)は画用紙で棒を作ってすればいいんじゃない」

 これまでの経験を劇の小道具作りに活かしていく子ども達。話し合いの中でも意見を聞いて「それいいね」と共感したり、作っていく中で、「字書いていくから貼って」と役割分担しながら進めていました。

 このように自分達で使うものを作って取り入れることで、より劇に対して主体的に関わりながら楽しんで取り組めるのかなと思います。

BGM作り

今回は新たな取り組みとして、iPadでBGM作りにも挑戦してみました。 いろんな楽器がある中でその場面に似合いそうなものを選んでリズムやメロディーをつけていきます。

始めは何とくなく触っていたら曲ができたというような作り方でしたが、やり方が分かってくると「楽しそうな曲にしよう」「今度は悲しそうな場面」と目的を持って劇に必要そうな場面を選んで作っていく姿へと変わっていきました。

 そして友達のできたものを聞いて「いいね」「ピッタリじゃない」と認めてくれる姿もたくさん見られ嬉しく思います。

背景作り

4つあるうちの2つを子ども達に描いてもらいました。大きな紙に2グループに分かれ描いていきます。

 まずはお手本となる絵本の絵をじっくり見始めた子ども達。そして「ぼく木描くね」「じゃ、私は山描く」と役割を決め、大きさも考えながら「このくいらいかな」と大体の大きさを決めます。

 このようにみんなで描くという意識を持って色塗りまでやり終えた子ども達。近くで見るとどこまでできたのかわからないけど、遠くから見てみるとまだ足りない部分が見えてくるようで「あっ、まだここ塗れてなかった」「◯ ちゃん、その上塗ってくれる?」と気がついたことを声をかけ合いながら進めていました。

 出来あがった絵を見て「すご~い」と大満足でした。

劇の練習

 劇の練習もはじまっています。セリフを覚えたり、動きを覚えたり。たくさん覚えることはあるけれど楽しくやっています。

 そして最後にみんなで練習の振り返りをしています。そこで「もっとこうしたほうがいいよね」ということを出し合ったり「ここがよかったと思う」「この前より上手になってた」と良いところを見つけながら自分達で作り上げる経験をしているところです。自分たちを客観的に見ることができているのが印象的でした。

 そして次に練習するときはみんなで決めたことを共通理解し始めます。そうやってよりいい劇にしようという意識に繋がるといいなと思います。

みんなで劇作り