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投稿者: kaerukun

  • 「こうしたらできた」が、次の遊びを支える ― 足場かけを考える10

    「こうしたらできた」が、次の遊びを支える ― 足場かけを考える10

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    「こうしたらできた」が、次の遊びを支える。

    朝の会などで、前日の活動を一緒に振り返る。
    紹介するだけでも、子どもたちはそのことをよく覚えています。

    子ども向けのドキュメンテーションをつくるとき、意識して残しているのは「難しかったこと」と「こうしたらできた」という工夫です。

    恐竜づくりでも、
    「くちばしが、すぐ取れてしまう」
    「テープで留めた羽が、取れてしまう」
    といったことがありました。

    そこで、穴をあけて留めたり、ひもやゴムを通したり。
    試しながら見つけた方法を、写真と言葉で残していきました。

    記録は、制作物のすぐそばに掲示しています。
    同じような問題に出会ったとき、子どもたちが以前の工夫を思い出したり、記録を見返して取り組んだりすることがあります。

    最後の写真は、恐竜屋敷の全体像を整理したホワイトボードです。
    つくりたいものをみんなで確かめ、見通しをもつための全体図です。

    子どもが過去の経験から学び、次に活かす。
    ドキュメンテーションは、そのきっかけになる大切な道具だと感じています。
    「つくりたい」「もう一度やってみよう」を支える手がかりを、環境の中に。

  • ドッジボールの一番大事な時間は、ボールを投げる前にある ― 足場かけを考える9

    ドッジボールの一番大事な時間は、ボールを投げる前にある ― 足場かけを考える9

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    ドッジボールの一番大事な時間は、ボールを投げる前にあります。年長組の2学期後半から3学期にかけて、子どもたちは自分たちでコートを作り、チームを分け、外野を決め、ジャンケンをするようになります。
    真ん中の線を引くために、並んで歩幅を数え、割り算で真ん中を出す。
    「外野はいやだ」と言う年下の子がいれば、年長児がそっと代わる。
    始まりの言葉が恥ずかしくて言えない年少児がいれば、誰かが代わりに声を出す。
    でも、最初からこうだったわけではありません。
    はじめは保育者が「人数、足りないね」「どうする?」と今の状況を言葉にして、子どもたちに返します。答えは先に言いません。
    くり返すうちに、「タイム、どうする?」と子どもたち自身が問いかけるようになり、保育者は少しずつ引いていきます。
    いつ関わり、いつ引くか。その見極めが、保育者の大切な仕事です。
    ドッジボールの中には、投げる・捕る・かわす、ルール、数える・測るといった「できるようになること」と、思いやりや気持ちの調整のように「大人になっても伸び続けること」の両方があります。
    遊びは、人と共に生きる力を学ぶ時間です。

  • 「やりたい」はみんなちがう。年少組の協同製作 ― 足場かけを考える8

    「やりたい」はみんなちがう。年少組の協同製作 ― 足場かけを考える8

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    はじまりは、ひとりの「やりたい」でした。そこに集まってきた子どもたちの「やりたい」は、みんな違っていました。

    描きたい、切りたい、形にしたい。どうしたらいいか、アイデアを出したい。ガムテープがくっつくだけで嬉しい子もいれば、できたところをのぞいて、もうごっこ遊びを始める子もいます。

    楽しそうな様子を見ていたい子、好きな友達のそばにいたい子。その場の雰囲気を味わうことも、関わりのはじまりです。

    同じ製作物のまわりにいても、心を動かされることや関わり方は一人ひとり違います。だからこそ、保育者は「場」と「人」を整えることを大切にしています。

    例えば、同じ箱でも、切りひらいたものと、そのままの形のものを置いておく。子どもたちが素材をいろいろに捉え、自分のやってみたいことにつなげられるようにします。

    ごっこ遊びをしたい子には「終わったら呼ぶね」と伝える。ほかの遊びがしたい子には、別の保育室に、その子の興味に合った場を用意する。誰かの「やりたい」が後回しにならないように、関わり方を考えます。

    ひとりの「やりたい」が、みんなの「やりたい」へ。全員が同じことをするからではなく、違う「やりたい」が同じ場所で満たされていく。そんな協同製作を支えることも、保育者の足場かけなのだと思います。

  • 水族館の光 ― 楽しそう。でも、何かが違う ― 足場かけを考える7

    水族館の光 ― 楽しそう。でも、何かが違う ― 足場かけを考える7

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    保育室の壇の下で、懐中電灯と色水を使って遊んでいた子どもたち。暗い場所にぼんやり広がる光を見て、「水族館みたい」という言葉が出てきました。
    保育者も呼ばれましたが、そこは大人が入るには狭い場所でした。一緒に試したり、必要なときに手を貸したりできるように、壇の外に段ボールで遊ぶ場所をつくりました。
    子どもたちは光を当て、素材を置き、色水のボトルを並べて、きれいな空間を作っていました。
    けれども、その姿を見ながら、保育者は感じていました。
    「楽しんではいる。でも、この子が求めていたものとは、何かが違うのかもしれない」
    やがて段ボールは使われなくなり、子どもたちは再び壇の下へ戻っていきました。
    光の遊びへの関心は続いていました。戻った先にある暗さや、空間に広がる光。その感じが、子どもたちにとって大切だったのかもしれません。
    そこで保育者は、二つの机を使い、周りに布をつけました。子どもが楽しんでいた暗い空間を、保育者も一緒に入れる場所につくり直したのです。
    その場所で、光といろいろな素材を組み合わせる遊びが続きました。やがて、光が当たるときれいに見えるクラゲをつくり、水族館に合うBGMもつくるようになりました。
    今回の足場かけで注目したいのは、机に布をつけた工夫と、そこに至る保育者の判断です。
    子どもが活動している。その姿の中で、何を楽しみ、何を実現しようとしているのかを考える。用意した環境が、それに応えているかを問い直す。
    「何かが違う」という保育者の感触と、その後の子どもの姿を見て、もう一度考える。
    自分の援助も見直しながら環境をつくっていくところに、保育者の専門性が表れていると思います。

  • 昨日までの経験が、今日の足場になる ― 足場かけを考える6

    昨日までの経験が、今日の足場になる ― 足場かけを考える6

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    劇に必要なものを考え、自分たちで大道具や小道具をつくっていきます。

    その中で、何度も出てきたのが、これまでの遊びや製作で経験してきたことでした。

    「前にやった人形のつくり方で、つくったらいいんじゃない?」

    以前使った素材やつくり方を思い出す。
    スポンジを見て、別のものに使えそうだと気づく。
    テープのくっつき方の違いを考え、実際に試してみる。
    うまくいかなければ、演出そのものを変える。

    そして、大きな鷹は「つくる」のではなく、人に演じてもらう方法へ。

    過去の経験は、そのまま繰り返されているわけではありません。

    目の前にある素材や道具、友達の考え、そして新しく出会った「どうしよう?」と結びつくことで、別の方法として立ち上がってきます。

    足場かけというと、そのとき保育者が何を用意し、どんな言葉をかけるのかに目が向きます。

    でも、足場はその場だけのものではないのかもしれません。

    素材に触れたこと。
    つくり方を試したこと。
    失敗して方法を変えたこと。
    友達と一緒に考えたこと。

    これまでの遊びの中で積み重ねてきた経験が、新しい「どうしよう?」に出会ったとき、次の足場として立ち上がる。

    昨日までの経験が、今日の足場になる。

    そして今日の経験もまた、いつか別の「どうしよう?」を支える足場になっていくのだと思います。

  • 「どうしたら階段になる?」ひとつの問いに、子どもたちが集まってきます。

    「どうしたら階段になる?」ひとつの問いに、子どもたちが集まってきます。

    【入園願書受付開始10/1より荒尾第一幼稚園】

    「どうしたら階段になる?」

    ひとつの問いに、子どもたちが集まってきます。

    見て、考えて、試してみる。

    うまくいかなければ、また考える。

    友達の考えにも出会って、一緒にやってみる。

    幼児期の遊びの中には、

    これからの学びにつながる経験がたくさんあります。

    園のこと、子どもたちの毎日のこと。

    ご興味のある方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

    荒尾第一幼稚園

  • 服を作っていたら、マネキンが生まれた。-足場かけを考える5

    服を作っていたら、マネキンが生まれた。-足場かけを考える5

    【足場かけを考える⑤|年少組デザイナーズ】

    服を作っていたら、マネキンが生まれた。

    ― 子どもの姿から変わっていく環境 ―

    始まりは、毎朝、新聞紙でドレスを作っていた一人の子。けれども、一度脱ぐと破れてしまいます。

    その姿を見た保育者がカラービニールを素材置き場に置くと、服作りに興味を持つ子が増えていきました。

    「大きなビニールちょうだい!」

    手元にあるビニールを見て、「これ貼ったら大きくなるよね?」と、貼り合わせる子が現れます。

    その工夫を見た友達も作り始めました。

    保育者は、できた服を着た姿を写真に撮り、みんなに見える場所へ。

    友達の服が、次の子の手がかりになります。

    作りたいけれど始め方が分からない子には、デザイン画が、自分の思いを伝える手がかりになりました。

    そして保育者が自分の服を作り始めると、子どもたちが集まってきました。

    「手伝ってあげる! ちょっと巻いてみて!」

    着ている人を外から見ながら作ると、飾り付けへのこだわりも増していきます。

    「こんなポーズが似合うんじゃない?」という言葉も生まれました。

    その姿を受けて、保育者はマネキンを作りました。今度は、自分の服も着せて、外から見ることができます。

    マネキンは、最初から決めていた活動のゴールではありません。

    子どもたちが見せた姿から、次に必要な環境が生まれたのです。

    –

    写真に写るのは10月の活動ですが、
    解説動画では、春からの素材との出会いや、
    友達のしていることに目を向けるようになった過程も語られています。
    子どもとともに環境を変え続けること。
    その積み重ねの中に、この実践の足場かけが見えてきます。

  • 主体的な姿と思って良いのか? – 足場かけを考える4

    主体的な姿と思って良いのか? – 足場かけを考える4

    ― 年長組 雛人形製作から考える ―

    足場かけを考える④「いい姿」で、子どもの理解を止めない― 年長組 雛人形製作から考える ―

    子どもたちは夢中になって雛人形を作っていました。

    本物をよく観察し、細かなところまで丁寧に作る。友達との相談や協力も生まれている。

    一見すると、とてもうまくいっている活動です。

    でも、ひなまつり集会はもうすぐ。

    このままでは間に合わないかもしれないのに、子どもたちに焦る様子はありませんでした。

    そこで保育者の中に生まれたのは、一つの問いでした。

    この子たちは、どうしたいのだろう。

    間に合わなくてもいいから、最後まで丁寧に作りたいのか。

    それとも、自分たちの雛人形でひなまつりをしたいのか。

    そこで翌朝、保育者は「残っている作業」と「ひなまつりまでの時間」を見えるようにしました。そして、子どもたちの願いを確かめると、「間に合わせたい」という思いがありました。

    保育者は見通しや計画の可能性を伝えました。

    すると子どもたちは状況に気づき、「間に合わせる」ことを意識して動き始めました。

    完成した子が友達を手伝う姿も生まれ、最後はみんなで作った雛人形でひなまつりを迎えることができました。

    「意欲的に作っている」

    「製作も丁寧」

    「友達との関わりもある」

    一見うまくいっているように見える姿の中にある、小さな違和感を感じ取る。
    「いい姿」で、子どもの理解を止めない。

    子どもが何を願い、今の状況をどう捉えているのか。

    そして、今のこの子たちなら何に気づき、どう動けるのか。

    子どもと状況との関係を組み替える。

    そこから始まる足場かけもあるのだと気付かされた事例でした。

  • 場所の再構成 – 年少組で続いていた海賊船づくり-足場かけを考える3

    場所の再構成 – 年少組で続いていた海賊船づくり-足場かけを考える3

    ― 足場かけを考える③ 場所の再構成 ―

    年少組で続いていた海賊船づくり。

    子どもたちから「色を塗りたい!」という声が出たので、思いきり色を塗れるように、海賊船を保育室の奥から広い場所へ移しました。

    子どもたちは、思いきり色塗りを楽しみました。

    ところが、その後。

    海賊船を作る姿がなくなりました。

    写真を掲示する。

    素材を置く。

    もう一度活動が動き出すきっかけをつくってみましたが、それでも海賊船づくりには向かいません。

    「もう海賊船に興味がなくなったのかな」

    「製作する意欲がなくなったのかな」

    そう考えることもできます。

    でも、そこでそれまで何が起きていたのかを振り返ってみました。

    それまで子どもたちは、

    作る

    ↓

    ごっこ遊びをする

    ↓

    「これがあったらいいな」が生まれる

    ↓

    また作る

    ということを繰り返していました。

    場所を移したことで失われていたのは、製作するための素材ではなく、「作る」と「遊ぶ」がつながる循環だったのかもしれません。

    そこで、海賊船をごっこ遊びをしていた元の場所へ戻しました。

    すると、ごっこ遊びが始まり、再び海賊船を作る姿が見られるようになりました。

    子どもが動かなくなったとき、

    「興味がなくなった」「意欲がない」と、子どもの内側だけに理由を探さない。

    子どもと環境との間で、何が起きているのだろう。

    そう考えて、保育者自身がつくった環境の方にも問いを返してみる。

    今回、広い場所に移したこと自体が間違いだったとは思いません。

    思いきり色を塗るためには、その場所が必要でした。

    ただ、子どもの活動が変わったときには、環境もまた、その時々の子どもの姿に合わせて再構成していく。

    その場所で積み重ねてきた遊びや経験も、環境の一部。

    今回の海賊船づくりから見えてきた「足場かけ」です。

  • 環境を用意した。でも、子どもが動かない。-足場かけを考える2

    環境を用意した。でも、子どもが動かない。-足場かけを考える2

    子どもの意欲のせいにしない~足場かけを考える2

    環境を用意した。でも、子どもが動かない。保育をしていると、そんなことがあります。

    子どもの「やりたい」を捉えて、素材も場所も用意した。

    それなのに、思ったように活動が始まらない。続かない。

    「何を用意するか」までは考えられても、

    そこからどう活動を展開させていくのか。

    ここに悩んでいる保育者は、案外多いのではないでしょうか。

    今回紹介した年中組の線路づくりも、そんなところから始まりました。

    「線路を作りたい」という子どもの言葉を受けて、保育者は環境を用意しました。

    でも、子どもたちは少し触っただけで離れていきました。

    こんなとき、

    「それほど興味がなかったのかな」

    「まだ意欲が弱かったのかな」

    と考えてしまうことがあります。

    でも、この保育者は、子どもではなく、自分が用意した環境の方をもう一度見ました。

    画用紙は破れやすい。

    並べてもずれる。

    机は狭い。

    そこで、素材や場所を変えてみる。

    すると、子どもたちが動き始めました。

    大切なのは、「段ボールを使えばうまくいく」ということではありません。

    子どもが動かなかったときに、

    その理由をすぐに子どもの「興味」や「意欲」に求めないこと。

    子どもと環境との間で、何が起きているのだろう。

    そう考えて、自分がつくった環境の方にも問いを返してみる。

    私たちは、こうした保育者の関わりを「足場かけ」という視点から、もう一度考えてみようとしています。

    足場かけとは、子どもを保育者が考えた方向へ動かすことではなく、

    子ども・モノ・空間の間に、さらに何かが起こり得る条件を開いておくこと。

    今回も、環境を変えたことで子どもたちが動き出し、そこから保育者が最初から決めていたわけではない、新しい問題や試行錯誤が生まれていきました。

    子どもを変えようとする前に、

    子どもと環境との関係を見直してみる。

    活動が動かなかったときにこそ、見えてくる保育があるように思います。

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