夏、蝉、知識技能の基礎、朝顔

みんなで蝉とり

虫捕りに夢中の年長組たち。夏らしい風景でした。
この虫かごと網、虫を捕まえたりすると興奮してか、すっかり忘れられ、
当初は片付けに意識がなかったのですが、最近は使った後、片付けられています。

年少組がバケツの中に皿状の容器を浮かべて「浮かぶ!」と言いました。
次々と容器を乗せても、船のように浮かんでいます。
それを見ていた他の子が、「これはどうだろう?」とザルを水の中に入れましたが、沈みました。取り出して「ここがわれてるからかな?」

幼児期に育む「資質能力」の中に「知識・技能の基礎」というのがあります。
「知識・技能」でなく「知識・技能の基礎」。
「簡単な知識・技能」ではなく「知識・技能の基礎」なのです。

「知ってる・出来る」をやがて、より「使える物」にするための体験です。
その事やその物を将来、考えるなどする時、
連想したり、結び付けたり、無意識に呼び出したりする物や事などを
蓄積するための多様な体験。
「知識・技能の基礎」を私はそのように解釈しています。

朝顔の紫

萎れた朝顔で作った色水です。

「水族館プロジェクト 」年中組 〜オープンの日

ずっと準備してきた年中組の水族館。昼食後に年長組と年少組を招いてオープンしました。

受付を過ぎて、床に貼られた順路に従って行くと、トンネルの水槽です。

トンネルを抜けると餌やりのコーナー。墨をはくタコもいます。

壁にはこの活動のきっかけとなった「スイミー」が貼られています。「赤い魚コーナー」

「水族館プロジェクト」について
この「水族館作り」の活動は、子どもの今の姿から保育を考えてたどり着いた活動です。

年度当初、たくさんの素材を用意した環境で新学期がスタートしました。
子ども達は思い思いに作品を作りました。
「友達と一緒に何か作ることはまだ難しいが、製作過程でやりとりが生まれて欲しい」と保育者は願いました。
どんな体験が子どもたちの育ちに必要なものになるのか、そこから保育を考え、「はさみ名人」等や「カプラの長さと高さ」の緩やかな共同製作活動、「スイミー」の活動なりました。

この「スイミー」の活動が思わぬ方向に動き始めました。
まず、「しまった!方向をそろえなかった!」と思う担任をよそに、子どもたちはいろいろな生き物を、せっせと貼り始めました。これは方向を決めなかった自由さと、「しすぐの冒険の場面づくり」や「はさみ・ノリ」の活動の余韻からか生まれた表現と思います。場面は足りなくなって、下に広げました。窓にも広がりました。集まってきた海の中の生き物たちで、水族館づくりが始まりました。

ちんあなごは、子ども達にとって魅力的な生き物のようでした。

ちんあなごコーナーに置かれたいくつものステージ。

当初、懐中電灯の照明付きでしたが、なくても青くなることを発見。右のように改良されました。これを見ていた子が「自分も!」と作り始め、ちんあなごが砂のなかを出たり入ったりすることを再現するためステージ型を製作しました。このステージ型がまた友達に広まっていきます。当初の保育者の願い「友達と製作過程でやりとり」が直接ではありませんが、影響という形で生まれてきました。

友達のように作りたいという思いは、粘り強さを生み出しました。

広告紙で棒作り。上手くいくまで長い時間、作っていました。

順路に従って行くと、触れる水槽のコーナーがあります。

そしてイルカショーのコーナー

みんなに見守られてイルカたちのショーは大賑わいです。担任の目には涙が滲んでいます。感慨深くなった嬉しい涙かなと、私は呑気に眺めていましたが、全然違いました!
役割を楽しみにしていた子がその役割をやり損なったと聞いて、自分も悲しくなってしまったそうです。その後、解決したそうです。ハプニングに気がついた年長組がやさしかったです。

年長組が終わると、今度は年少組がやってきました。やさしく案内する年中組達でした。

今回の活動は一直線に水族館にたどり着いたわけではありません。子ども達の姿から「あっちにいこう」「こっちにいこう」と保育者が頭の中でハンドルを切ったり、ここに足場があったら、子ども達はここまでいける、この材料があったら思いが実現できると、その時の子どもの姿から考えた保育です。クラスみんなでの体験になった活動でした。

「水族館作り」の中で 年中組

年中組の水族館づくり。
ちんあなごのステージで、操るための棒が必要になり、広告紙で作り始めました。

何十回も挑戦

いつもはできるのに、なかなか上手くいきません。前、うまくいった場所に変えるなどして、
約15分間、巻き続けました。



ペットボトルに黒いビニールつけています。なんでしょう?

墨を吐いているタコです!

明日は、いよいよオープン!

流れる葉っぱ。

あと5センチの葉っぱ

雨樋で葉っぱを流しました。

水量が足りなくて途中で止まりました。
容器に、洗面器の水をいれようとしますが、
洗面器のところに話したことのない人がいました。

洗面器に近寄れないけど、水は流したい。
そおっと近づいて、水を汲みました。
話したことない人でも大丈夫と知りました。

水を流すと葉っぱは、水溜りまで流れました。
勇気を使って、最後まで流すことができました。

「Zoomを使った保育実践発表会」 を終えて

夏休み直前の土曜日、例年ならば夏祭りを行なっています。
今年は8月に予定していましたが、中止の決定をいたしました。
楽しみにしていた皆さん、ひと段落する時まで待っていてください。

7/18(土)、先生達は出勤。
午前中、保育の準備・大量の土ねんどの準備、そして、午後から行われるリモートの保育実践発表会の準備をしました。

大量の土粘土の準備。

午後からは「Zoomを使った保育実践発表会」でした。
全国から、およそ50名の方に参加していただきました。
ひとつの園が単独でこのような会を行うことは、まだあまり例がないと思います。

私が準備してきたこと、機材や工夫、感想などは、今後このような会を企画する方の参考になるかもしれないと思い、まとめたページを作ろうと思っています。

今ひとつあげるとしたら、参加者の皆さんの「相槌」や態度が見えないので、「反応」の使い方や「アンケート」など、すぐにアンケートページに飛んでもらうなど、きちんと計画の段階で組み込んだ方がよいと感じました。

後日、まとめましたらアップします。

実践発表

貴重な体験をしました。全国の先生方、養成校の先生、学生の方、
「主体的・対話的で深い学び」に関心のある方と、

園舎2階大広間がつながりました。歴史的建造物になりました!
ありがとうございました。

例年ならば夏祭りをしている頃。また来年泥だんご作りましょう。