名前のない遊び

スイミーの世界を作ろう

年中組の活動。
みんなが違うことするから、なんだかいい感じになる海。スタンプ遊び。
みんなが同じように塗るから迫力が出る小さな魚達。
みんなで、何かする楽しさを感じています。

マスクを外して話したい時もあるだろうと思って、職員用フェイスシールドを購入。
しかし、誰もつけません。私がつけて、幼稚園を歩いたところ、子どもたちからじぃっと見られ、少し人気者になりました。

名前のない遊び  T.U(風の顔通信7月号)

 年中組の子が園庭で両足をポンとついて立ち止まる。それを私が真似してポンと小さくジャンプして両足で並んで立ち止まる。少し離れた場所に移動して、また両足をポンとついて立ち止まる。またそれについて行き、両足をポンとついて立ち止まる。

真似されたことを外すようにまた、少し大きく移動してポンと両足。園庭の移動を繰り返す。山に登って、降りて。あっちに行って、こっちにきて。

リズムのある動きは他の子の目に止まる。
「何してるの?」と聞かれて「うん?」なんて答えようかと考えているうちに
「いれて?」と言われて「いいよ」と答える。仲間が増える。

移動しながらスコップで園庭に跡をつける。
それが道路になって、道路沿いに駐車場ができる。そこにポンと誰かが着地する。

着地場所が足りないので私が近くにスコップで丸を描くとそこにポンと着地。少し離れたところに丸を描くと、そこまで走ってきてポン。「ぼくもする」とまた仲間が増える。

またその場所から離れて、丸を描こうとした時

「丸、いくついる?」と問いかけると、最初の子が「3つ」と参加人数を私に告げる。

移動するだけの遊びは楽しく繰り返された。また仲間が増えた頃、用事ができた私は離れることになった。戻ってくると遊びの形が少し変化して続いていた。次の場所に移動する前、全員横に並んで一呼吸揃える。そして誰かが動いた瞬間、みんなが動き出す。相撲の間合いを合わせるように。

少し離れて様子を見ていると、「ここだよ」とか、他の子が「まだだよ」と、ルールのようなものができて、それをみんなで確認している。「おぉ、人生で初めてのルール会議だな」と思いながら夜空に光る花火を見るように見ていた。

やがて遊びは園庭の他の遊びに消えていく。仲間だけで遊びを楽しく続けるには2年半の修行が必要。今は名前のない遊びを作り出し、リズムを作り、リズムを外し、ポンと着地して自分に伝わる力を感じる時。