ひよこ組(年少組)デザイナーズ
「これ貼ったら大きくなるよね?」
ひよこ組では、みんながデザイナーになって洋服を作ることを楽しんでいます。いろんな色のビニールを貼り合わせ、大きな洋服を作るやり方が主流です。きっかけとなったのは、新聞ドレスを作っていたある子でした。毎日朝登園するとドレスを作っていましたが、一度脱ぐと破れてしまうことが問題でした。そこで、ビニールでも作れることを知ってほしいと思い、少し大きめのカラービニールを素材置き場に置いておくことにしました。カラービニールでの洋服は、いろんな子どもたちの目も引き「大きなビニールちょうだい!」とたくさん言いに来た子どもたち。「もうこれだけしかないの」と伝え、大きなビニールは出しませんでした。すると、「これ貼ったら大きくなるよね?」と張り合わせ出した子が出てきました。パッチワークのようなデザインで、「それいいね!!」と共感した子どもたちがそれぞれ作り出したことが、今回の遊びに繋がってきたように思います。
友達の作品が見えるように
遊びが進んでいくごとに、保育室の環境も少しずつ変えていきました。その時には 子どもたちが友達の様子に興味を持ちやすいような場所であること、新たにやる気が湧いてくるような場所にすること の2つを共通の意識にしました。今までの遊びの様子から、子どもたちは友達の姿から刺激を受けているように感じたので、出来上がった作品は着ているところを写真に撮ってみんなが見えるところに掲示しました。
「これめっちゃすごい!」
と褒めてくれたり、それを自分の洋服にも取り入れようとする姿も出ていて、新たな刺激に繋がっていたように感じます。
保育室の一角を思いっきり変えてファッションコーナーにしたのも、子どもたちがワクワクする環境になり、やる気に繋がったように思います!作りたい気持ちはあるけれど、何から始めたらいいのか分からない子どもたちもいました。そこで、デザイン画という存在を知り、それぞれデザインを描くことにしました。自分の着たい洋服を描いてもらうと、そのイメージに合わせて土台となるビニールの色を選んだり、「こういう飾りが付けたい」など自分の思いを保育者に伝えてくれるようになりました。伝えることがうまくできたことで、一緒に作り方を考えることもできるようになりました。
アイデアが出てくる視点〜マネキン
「先生もかわいい洋服作ろうかな」と子どもたちに伝え、一緒に作り始めることにしました。すると続々と近くにやってきて、「手伝ってあげる!ちょっと巻いてみて!」と積極的に手伝ってくれた子どもたち。人に作ってあげる楽しさや、いろんな角度から洋服を見れるので作りやすさを感じているようでした。着ている姿を見て作れるということで、子どもたちの飾り付けも一段とこだわって作っている様子でした。自分たちの作ったドレスはとても満足のいくものになり、「こんなポーズが似合うんじゃない?写真で撮ったらもっと可愛く見える!」と話す姿もありました。この姿もあったので、マネキンを作って自分たちの洋服も見やすくなるようにしました。
今回の遊びは、保育者が作る環境が中心での遊びではなく、子どもたちの気付きをもとに一緒に環境を作っていくという感覚でした。『子どもたちと保育者が一緒になって作っていく環境』の大切さを改めて感じる機会になりました♪