「落書き」と「作品」の間

中庭のデッキ沿いに「お絵かきの壁」があります。ドキュメンテーションで役目を終えた広用紙の裏紙を貼っています。基本的に自由なお絵描きの場ですが、保育者が何も関わらないと、「大きな紙でなくてもよかったかな」という絵になります。裏紙とは言え大きな紙ですからそう簡単に用意できない環境です。「広い紙」ということに相応しい活動を目指したいところです。ここで必要なのは環境を構成する保育者の役割です。

「お絵かきの壁」

 この日、大きな紙を貼っていると年中組の子ども達が集まってきました。「何描くの?」と子ども。私が「百階建ては?」と言うと。「いいね」と子どもたち。「家」や「ホテル」というテーマは製作活動で取り組んでいたり生活経験があるためか、思い思いに描き始めました。友達と一緒に描きやすいテーマなので協同絵画にもなりました。仕上がりに子ども自身も満足感を感じる作品となりました。

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DVDごっこランド完成

表現活動の行事 「DVDごっこランド2019」

ごっこランド2019のDVDが完成しました。
これでこのプロジェクトが一区切りつきました。

DVDを子どもたちはどのように見るのかとても興味深いです。

ごっこランドは子どもたちの何を育てるのか?

当日の様子から、想像力、集中力、その他、年長組は協力する態度など、
子どもたちが力を発揮していることは感じられます。
ごっこ遊びが育む力をエビデンスに基づいてきちんと書かれた文章に
最近、ようやく出会いました。

「思いどおりになんて育たない: 反ペアレンティングの科学」
アリソン・ゴブニック著 森北出版

・ごっこ遊びは他の可能性を考える力と結びついている。
・認知機能や実行機能と関連性はない。
・学校で習うような学業スキルを向上させる証拠はあまりない。

著者の推論

・仮説を立てて、それが本当だったらと考える力と似ている。(多元宇宙があったら。宇宙定数があったら)
・心の理論と呼ばれるものとの結びきが考えられる。(他者の心の動きを理解すること、ものの見方、感情、信念を理解する力など)
・新しいものを発明するなどして世界を変えたいと思うならば、違う世界を想像し、仕向ける力が必要。その力。

以上、抜粋して要約

これらは非認知能力と重なります。

少し前、保育者養成の短期大学で話をする機会をいただきました。
その時、ごっこランドのダイジェスト映像を見てもらいました。レポートからたくさんの学生が関心を持ってくれたことがわかりました。その中で「日頃の保育で主体・対話的活動を行っているためか、勝手に行動したり、戸惑っている子どもの姿が見られず、一人一人が生き生きと楽しむ姿が見られた」と書いてくれた学生がいました。

これは最近、私がごっこランドに対して、ぼんやりと感じていることです。
実験では「認知機能や実行機能と関連性はない」そうですが、暗黙のルールを理解する力、勘の良さ、状況・場を読む力などを私は感じるのです。

これからもごっこ遊びやごっこランドについて、勉強していきたいと思っています。

他人から学ぶこと

けん玉 年長組

最近の研究では幼い子が他人から学ぶことは、想像よりはるかに多いことが示されている。そして特筆すべきは、意識的で計画的な教育から学ぶのはごくわずかであるということ

「思いどおりになんて育たない 反ペアレンティングの科学」
アリソン・ゴプニック著

アリソン・ゴプニックというとてもすごい視点をもっている発達心理学者が書いた本の文章のある一部です。

真っ先に思ったのが、子どもたちの間で流行っていたあやとり、折り紙など。友達の様子を見ながらどんどん上達していきます。iPadの操作にしても、私の想像より遥かに上手に扱い方を覚えます。駒にしても、竹馬にしても。そして、最近のけん玉も。

試行錯誤や探究、挑戦的課題に向かう環境を大切にしていきたいです。

3学期を前に

あけましておめでとうございます。

明日の3学期始業を前に、職員で勉強会をしました。
非認知能力を育むための協同的活動、ルールのある集団遊び、劇作りなど実践に取り組んできていますが、最近、この非認知能力をさらに丁寧に捉える考え方がでてきているようです。

「実行機能」

目標を保持する力。
目標に向かうために頭を切り替える力。

先日の「年長組劇作り実践記録」の中の姿では「劇をみんなで協力して完成させようとする主体的な姿勢」。よりよくするために、新しいやり方を取り入れていく姿、などが上げられるかもしれません。

感情の実行機能。思考の実行機能。
抑制、更新、シフト

言語性・視空間性のワーキングメモリ。
目と耳から情報が入った方が理解しやすいことはわかっていましたが、ごっこランドを見ている方の「子ども達の集中」も音声と視覚の情報が交わる中央実行系の働きで説明ができないかなと、本日の勉強会で感じました。私の仮説「ごっこランドを体験すると中央実行系を活性化させる」。エビデンスはありません。

昔、脳科学に興味をもって本を読みまくりましたがその時の知識が最近の発達心理学を理解するのに少し役に立ちそうです。

今年も、良い保育を目指していきます。

今年もよろしくお願いします。

「動物の行進」 ストレッチ体操

数年前に幼稚園で制作したストレッチ体操「動物の行進」の動画に
動物たちのイラストを追加して活動しやすくしました。
少し音も修正し、再アップしました。
この体操は2歳児の未就園児サークルでもよく行いますが、楽しんでしてくれます。

イラストはAdobe FrescoというiPadのアプリを使って描きました。
水彩や油絵の再現がすごくて、もし、子どもに使わせられる環境ができたとしても、使わせて良いものかどうかためらってしまいます。今、時々保育室で使っているお絵描きアプリでは、そんなこと思わなかったのですが。
作品や絵画表現そのものよりも、水彩の滲み具合が、あまりにも本物に似ているので頭が追いつかなくなります。技術の進歩を消化するのに少し時間がかかりそうです。
これは目的の問題で「表現の痕跡」を感じることや「自由な表現」がねらいの活動では適切な教具となり、「感じる・気づく」など「知識・技能の基礎」を養うには実際の体験がふさわしいとなるのではと考えます。Adobe Frescoは描画アプリですから罪はありません。実際に「 Fresco」を子どもに使わせることは予算の問題で当分できませんが、
大人が使うものならば、以前なら何日もかかっていた作業が半日で終わらせることができます。

3D空間はAppleのMotion
画像編集はPhotoshop
動画編集はFinal Cut Pro
音楽制作はLogic

体操そのものは、いろいろなストレッチ運動の書籍やDVDを見て、お遊戯室で先生たちと実際にやりながら、子どもたちにできるものを絞り込んで行きました。