他人から学ぶこと

けん玉 年長組

最近の研究では幼い子が他人から学ぶことは、想像よりはるかに多いことが示されている。そして特筆すべきは、意識的で計画的な教育から学ぶのはごくわずかであるということ

「思いどおりになんて育たない 反ペアレンティングの科学」
アリソン・ゴプニック著

アリソン・ゴプニックというとてもすごい視点をもっている発達心理学者が書いた本の文章のある一部です。

真っ先に思ったのが、子どもたちの間で流行っていたあやとり、折り紙など。友達の様子を見ながらどんどん上達していきます。iPadの操作にしても、私の想像より遥かに上手に扱い方を覚えます。駒にしても、竹馬にしても。そして、最近のけん玉も。

試行錯誤や探究、挑戦的課題に向かう環境を大切にしていきたいです。

3学期を前に

あけましておめでとうございます。

明日の3学期始業を前に、職員で勉強会をしました。
非認知能力を育むための協同的活動、ルールのある集団遊び、劇作りなど実践に取り組んできていますが、最近、この非認知能力をさらに丁寧に捉える考え方がでてきているようです。

「実行機能」

目標を保持する力。
目標に向かうために頭を切り替える力。

先日の「年長組劇作り実践記録」の中の姿では「劇をみんなで協力して完成させようとする主体的な姿勢」。よりよくするために、新しいやり方を取り入れていく姿、などが上げられるかもしれません。

感情の実行機能。思考の実行機能。
抑制、更新、シフト

言語性・視空間性のワーキングメモリ。
目と耳から情報が入った方が理解しやすいことはわかっていましたが、ごっこランドを見ている方の「子ども達の集中」も音声と視覚の情報が交わる中央実行系の働きで説明ができないかなと、本日の勉強会で感じました。私の仮説「ごっこランドを体験すると中央実行系を活性化させる」。エビデンスはありません。

昔、脳科学に興味をもって本を読みまくりましたがその時の知識が最近の発達心理学を理解するのに少し役に立ちそうです。

今年も、良い保育を目指していきます。

今年もよろしくお願いします。

「動物の行進」 ストレッチ体操

数年前に幼稚園で制作したストレッチ体操「動物の行進」の動画に
動物たちのイラストを追加して活動しやすくしました。
少し音も修正し、再アップしました。
この体操は2歳児の未就園児サークルでもよく行いますが、楽しんでしてくれます。

イラストはAdobe FrescoというiPadのアプリを使って描きました。
水彩や油絵の再現がすごくて、もし、子どもに使わせられる環境ができたとしても、使わせて良いものかどうかためらってしまいます。今、時々保育室で使っているお絵描きアプリでは、そんなこと思わなかったのですが。
作品や絵画表現そのものよりも、水彩の滲み具合が、あまりにも本物に似ているので頭が追いつかなくなります。技術の進歩を消化するのに少し時間がかかりそうです。
これは目的の問題で「表現の痕跡」を感じることや「自由な表現」がねらいの活動では適切な教具となり、「感じる・気づく」など「知識・技能の基礎」を養うには実際の体験がふさわしいとなるのではと考えます。Adobe Frescoは描画アプリですから罪はありません。実際に「 Fresco」を子どもに使わせることは予算の問題で当分できませんが、
大人が使うものならば、以前なら何日もかかっていた作業が半日で終わらせることができます。

3D空間はAppleのMotion
画像編集はPhotoshop
動画編集はFinal Cut Pro
音楽制作はLogic

体操そのものは、いろいろなストレッチ運動の書籍やDVDを見て、お遊戯室で先生たちと実際にやりながら、子どもたちにできるものを絞り込んで行きました。

街の子どもたちの読解力の未来

 日本の「若者の読解力低下が浮き彫りになった」とニュースで流れていた。先日、公表された(0ECDの)国際的な学力調査結果だ。

 「中年(おじさん)の漢字力低下」というニュースなら、私が該当してしまう。ホワイトボードに文字を書きながら打ち合わせをしていると漢字が思い出せないことはよくある。そんな時、若い先生が「『ノ』書いて横棒です」、などと教えてくれる。

「中年の漢字力低下」はニュースにならないが「若者の読解力低下」はニュースになる。将来困ったことが予測されるからだろう。

 園便り「風の顔通信9月号」に2冊の本を紹介した。

「AI vs 教科書が読めない子どもたち(新井紀子 著)」 

「AIに負けない子どもを育てる(新井紀子 著)」(続編)

 これからを生きていく子ども達のことを考える上で参考になることが書かれている。

2冊目には、「読解力向上の活動を通して得た知識から、主観と論理でまとめた」と断った上で、読解力向上させる幼児期・児童期の教育のあり方が書かれている。「幼児期」の項目では、荒尾第一幼稚園が大切にしていることとかなり重なる。

 この本の著書は、RST(リーディングスキルテスト)という読解力を調べるテストを開発し活動している。ある市町村からそこで実施したRSTの分析結果を講演会で講評してほしいと依頼されたそうだ。その結果、小中学校の学力テストの結果や表面的と思われる状況を言い当てていたそうだ。

気になって、荒尾市や近隣市町村の学力テスト結果を検索してみた。するとその本に書かれている市町村の状況と同じような傾向を感じた。あくまで簡単にアクセスできるデータや数年前の議事録を読んで素人が憶測しているだけだが。本に書かれていることに該当しそうな検索記事だけ目についたのかもしれない。

私が気になるのは「表面的と思われる状況」。もし本に書かれている状況が私たちの住む街に該当してしまうなら、早めに気づいてしかるべき対応することが、子ども達のためになる。それは読解力向上につながる。

しかるべき人に本の内容と、地域の子どもたちの状況と照らし合わせていただくことを私は願っている。まったく的外れ、見当違いならいいんだけど。

iPadを使った幼児教育の可能性

「ウヒアハが落ちるところ(の音)」「良いんじゃない!」

連日iPadの話になりますが、いま手応えを感じています。

園庭で水を使って遊べるというだけで、それを「泥んこ保育やってます」と言いたくない、という気持ちと同じように、
iPadを使っているから「ICT教育やってます」と言いたくない気持ちがあります。

特別なことでなく、日常の中に、創作活動の道具として使えたらと思い、導入しました。

手探りで実践してきましたが、こうやって使えばいいというものが見えてきました。
保育として特別なことでなく、普通の良い保育が必要で、
その上にiPadがあると、面白い普通の保育ができるのです。

今日のある場面。

iPadを使って男の子が劇に使う音を作りました。
「ウヒアハの落ちるところ(に合う音)」と言って
クラスの女の子に聞かせると
「良いんじゃない! すごい!」と答えました。

友達の創造性を驚きを持って認める会話を生み出しました。
普段の生活でも起きることですが、iPadの分かりやすさ、見やすさで
このような場面があちこちで見られるようです。
仲間の中での自分存在を感じたり、友達のすごいところを伝えたり、
提案したり、話し合ったりする日常の保育です。

幼児教育でとても有名な秋田喜代美先生の興味深い文章を見つけました。

抜粋~「子ども達の育ちの可能性を拡張するツールとしての可能性」

(全文はこちらで「発達保育実践政策学センター」の「プロジェクト」「共同研究プロジェクト」「デジタルメディアを活用した保育・幼児教育の可能性-創造的な環境構成のために-」)

「手応えを感じている」という言葉を、他になんと表していいのか思いつかなかったのですが、「子ども達の育ちの可能性を拡張するツールとしての可能性」ということを指しています。
より良い保育のために配慮事項、注意事項など
見えてきました。いつか記録にまとめたいと思います。