本園のアクティブ・ラーニング、「年長組 雛人形協同製作」をオンラインで実践発表いたします。関心のある方に、是非、見ていただきたいと思います。よろしくお願いします。
「新しい生活様式」の指導計画について
「新しい生活様式」の指導計画
・必要感を持って行動できるように、繰り返し伝えたり、一緒に考えるようにする。
・手洗い・うがい・消毒の習慣
・歌やイラストを使ってわかりやすく伝える
・掲示物を使って自覚できるようにする。
・咳エチケットの必要性を伝える。
・3密を子どもたちにわかりやすい言葉で表現する。必要性を伝える。
・お集まりの時は、隣の人との間隔をあけるように伝える。(席の間にぬいぐるみを置くなどする)
◎手の消毒
・登園時
・朝のお集まり後(遊びに行く時)
・帰りの集まり前(遊んで手を洗った後)
留意事項
人との距離を取ることに関して伝える時、まだ必要性が理解できない子に対して、子どもの思いや気持ちに十分に配慮すること。
保育者
子どもと話す時、可能な限り正面を避けるが、子どもを避けたり遠ざけたりすることは絶対にしない。丁寧に説明をしながら、関係性を結んでいく。
スキンシップについて
握手や手同士を触れ合わせない。喜び合う時、ひじタッチなどにする。
物語で遊ぶ「かえるくんとさくら組の神隠し」実践記録3
年長組は「千と千尋の神隠し」を元にしたストーリーで遊びました。子どもたちは事前に内容を知りません。活動は今まで保育や遊びの中で行ってきたもので構成しています。
以下、解説を交えてレポートします。

ロープの術は運動遊び。
気がつかれないようにカオナシ までたどり着くのは缶蹴りの缶を蹴るのと一緒!
子どもたちの大好きな忍者ごっこのような遊びです。
河の主が心付けにおいて行ったニガダンゴをカオナシ に食べさせて、飲み込まれた千尋を助ける任務です。

千尋がカオナシ からでてきました。
「カオナシ を助けるにはバルーンエネルギーが必要」と千尋。
「みんな得意だね、頼んだよ」と先生。
「バルーンエネルギーが上手くいくように。千尋と先生とぼくは、クロカゲリンがこっちこないよう見張りに行きましよう」とかえるくん。
そして、「さ」組だけになりました。

バルーンを上に飛ばすには、タイミングを合わせる必要があります。声をかける先生はいません。子どもたちだけで、友達の様子を見て、息を合わせて掛け声をかけます。中に入ったら楽しいという気持ちを抑えて、「みんなといる自分」ということを感じる年長組の育ちが必要な場面です。

バルーンは大成功!
何もかも飛んでいきました。そして静かになったカオナシが近づいてきました。
「遠くの静かな場所に連れて行っておやり。3本目の木が過ぎたところの駅で降りるんだよ」と銭婆。
みんなで電車に乗りました。

窓の外に流れていく木を数えます。
子どもたちはあまり活動しませんが、物語をしめくくる重要なシーンと思っています。
電車から降りて、かえるくん・カオナシ と静かにさよならする「さ組」。
そして片足ケンケンをしてお家の人たちのところに向かいます。

「お家の人のところで『ただいま』と言う。『おかえり』という声が返ってきたら、術が解けてお前たちも元に戻っていいるだろう」と銭婆。
この『おかえり』は事前にお願いしていませんでしたがみごとな保護者たちでした。

お父さん、お母さんに呼ばれて自分の場所に戻る千尋。
活動だけを考えるといらない場面ですが、「心の空間」を作るならばこういうことを大切にしなければならないと思っています。あんまりこだわりすぎると人に迷惑かけてしまうのでほどほどにしないといけませんが。これは保育も一緒で、どこまでディテールを丁寧にできるかが大切と思っています。

最後のこだわり。視線をどこに持っていけば、いままでの出来事を振り返っているように見えるのか、千尋役に何回かやってもらって作りました。
物語で遊ぶ「かえるくんとさくら組の神隠し」実践記録2
「ごっこランド!2019」年長組ごっこ遊び
年長組は「千と千尋の神隠し」を元にしたストーリーで遊びました。子どもたちは事前に内容を知りません。活動は今まで保育や遊びの中で行ってきたもので構成しています。
以下、解説を交えてレポートします。

「そこの箱を崩して、ここに風呂を作りな」湯婆婆の命令で働く「さ」組。
牛乳パックで家を作る子どもたちですから、段ボールをお風呂に見立てることは簡単です。

お風呂が出来上がった頃、ススワタリが大広間を汚してしまいました。遊んでいるように見えますが、宴会場の脱臭という仕事をしています(裏設定)。

並んで雑巾掛け。遊びなのか、劇なのか、どういうつもりか分かりませんが、まじめに働く「さ」組です。結構な運動になります。

神様たちをお迎えしての宴会のシーン。小道具なしで注文を聞いて、注文された食べ物を持っていきます。小道具を極力使わないのは場面転換をスムーズにするためです。この「さくら組の神隠し」は13年前に一度行いました。その時、小道具なしでの宴会シーンがうまく行くのか、心配しながら行ったのを覚えています。実際には上手くいきました。そして今では、子どもたちがこのようなシーンを難なくこなすことができることを私たちは知っています。

腐れ神登場。委員3名、中に入ってじわじわ歩いてきます。
先生が「なんだこの臭い!」と鼻をつまみます。すると子どもたちも鼻をつまみました。「おかえりください、おかえりください」とやってくれました。
この時の子どもも「わかってるじゃん!」と頼もしさを感じます。この子どもたちの力は「場を読む力」「勘の良さ」とでも言えば良いでしょうか。これは学習の転移や知識の再利用、再構成・再構築につながらないかなと、私は(勝手に)考えているところです。

「このお方は腐れ神ではないぞ。一列にお並び!」

ロープを持って綱引き。「そーれ、そーれ、抜けました!」

「やった!」「よくやった!さ組」
河の主が浮かび上がって、退場していくタイミングは音楽に合うように何回か練習してもらいました。


喜びも束の間。凶暴なカオナシ 登場。
カオナシが怖すぎるといけないので、この活動が始まる前の幕間、カオナシの衣装を見せて「これは先生たちが中に入って動かすからね」と特に年少組と年中組に伝えてから始めました。
物語で遊ぶ「かえるくんとさくら組の神隠し」実践記録1
「ごっこランド!2019」年長組ごっこ遊び
年長組は「千と千尋の神隠し」を元にしたストーリーで遊びました。子どもたちは事前に内容を知りません。活動は今まで保育や遊びの中で行ってきたもので構成しています。
以下、解説を交えてレポートします。

シンプルな舞台構成で行う朗読劇は子どもたちの想像力を掻きたてます。情報量の加減に難しさがあります。少ない情報で登場人物の周りにある空間を描けるかが勝負。BGMに自動車の走行音をミックスしたものを使いました。そして委員さんと先生の世界観を作り出す演技。子どもたちを話の世界に引き込みました。


台本を作る段階で、以前から「困っている人がいるから助ける」という感情が動いて行動する場面は作れないかと思っていました。今回は子どもたちが物語に入ってくる場面にしました。駆けつける子どもたちに千尋は「いや!」と拒否反応をしめします。映画にもある場面です。せっかくさくら組が助けに来たのにその気持ちを折るようなセリフですがあえて入れました。子どもたちは千尋の心中を察したかのように静かに見守りました。

何度か委員さんと練習している時に、のちの宴会シーンあたりで「カオナシは登場しておかなくて良いのか」という意見を聞きました。当初の台本ではいきなり暴れるカオナシ が初登場のシーンでした。魅力的なキャラクターなので通常の状態で登場したらカオナシ に集中して混乱してしまうかなと、登場させないでいたのですが、少し引っかかっていた事でした。そして映画と同じ、この橋の場面なら混乱しないと思いつきました。
「息を止めて」ごっこ遊びの世界を楽しむ子どもたち。なんと表現して良いかわかりませんが「わかってるじゃん!」と子どもたちが頼もしく見えました。

ボイラー室で釜爺から仕事をさせてもらうシーン。釜爺とススワタリは保護者委員。ススワタリは視界がせまく箱の移動やタイミングが大変でした。スムーズに行くように考えてもらいました。笑みがこぼれてしまう楽しいシーンになりました。

年長組の箱積みは運動会競技から経験している事。協力して箱を高く積み上げます。

「世話になったんだろう?お礼ぐらい言えないのか」とのリンの言葉に元気に「ありがとうございました!」と返す子どもたち。ここはもっと弱々しく言うかなと思ったのですが、きちんとしていました。そして菅原文太を踏襲した「グットラック!」。会場から笑いが起きました。

湯婆婆の部屋。かしらはお父さん委員。「ピョンピョンとランダムに跳んでください」とお願いしたので、きついスクワットの状態です。感謝です。おかげで子どもたちを物語に包み込む圧倒的な場面になりました。

湯婆婆から俊敏さを試験されるさくら組。影は違う方向に2回出ます。影が出た時、素早く踏みます。
素早い動きの試験に合格すると、どこからか坊の泣き声。
「働かせてください!」「わかったから静かにしておくれ!」

「契約書にお前たちのクラスの名前を書きな」一枚の紙に1文字ずつ「さ」「く」「ら」と書きました。すると「く」と「ら」がどこかに飛んでいき「さ」が残ります。
「おまえたちは今日から『さ組』だ。その箱でここに風呂を作ってフロアの雑巾掛けだ!」「はい!」
以下、物語で遊ぶ「かえるくんとさくら組の神隠し」実践記録2 に続きます。