「保育の解説動画」製作理由  

最近、短時間で配信動画を仕上げることが出来るようになり、頻繁に「保育の解説動画『最近の荒尾第一幼稚園』」をYouTubeに掲載しています。
この動画制作の背後にある動機や思いをお話します。

それぞれ別の目的で行っていたこと等をつなぎ合わせて「保育の解説動画」を製作しています。

日頃から園内研修のために撮っている写真があり、共有して話し合うミーティングが撮影のリハーサルになっています。コロナ禍で必要だった動画配信のために購入した機材等で画面を作っています。保育の素材置き場として整理した場所を背景にスタジオにしました。つたない話し方をなんとか聞きやすくするためにマイクは整備しました。

しかし、これらの要因の中でもっとも重要なのは、「日々、楽しいことが起き、共有したい内容がある」という私たちの喜びです。この喜びが動画制作へと駆り立てています。

数十年前から、私は様々な方法で保育について情報を発信してきました。文章、新聞の折込チラシ、ホームページなどを通じて、幼児教育の理解を広める努力をしてきました。しかし、地域社会に幼児教育の重要性を伝えることは難しいと感じています。それでも、私たちの発信に気づき、荒尾第一幼稚園に興味を持つ人々がいることは、私にとっては大きな励みです。

幼児教育は小学校を簡単にしたところというイメージが世間にはあるように感じます。または「遊んでいるだけならどこでもできる」という言葉も聞くことがあります。

私自身、初めて保育を学んだ時、「遊びが大切」の言葉に戸惑いを感じました。それを説明する文章の意味が理解できるようになったのは、少し時間が経ってからでした。初めて理解したことを身近な人たちに話しても誰も理解しませんでした。だからこそ幼稚園は幼児教育を説明していく責任があると思います。保育を勉強していない人にわかってもらうには数十年、説明し続けることが必要なのだと感じています。分かり始めると、さらにわからない分野があることに気づき「もお、人生足りない!」と何かを諦めて、優先順位をつけています。

数年前、さくら組の「雛人形協同製作」が終わったとき、「この(活動場所の)お遊戯室で起きたこと、子どもたちの姿を世の中に知らせなければならない」と強く思いました。インターネットを使って様々な発信を続けたら全国で「お遊戯室で起きたこと」に気づいてくださった方々がいらっしゃいました。そして今、地域社会に届けたいと思っています。私にできること。

例えば子どもたちが寝た後の5分間程。保護者の方や子育て・子どもに関わる方々に。極上の保育ドキュメンタリーを見やすく分かりやすい解説付きで作ろうと思っています。きっとこれからも何も変わらないと思います。変わってゆくにしても時間がかかると思いますが、もし届けば、それは子どもたちの幸せにつながると信じています。(園だより11月号の原稿に加筆)