環境を用意した。でも、子どもが動かない。-足場かけを考える2

子どもの意欲のせいにしない~足場かけを考える2

環境を用意した。でも、子どもが動かない。保育をしていると、そんなことがあります。

子どもの「やりたい」を捉えて、素材も場所も用意した。

それなのに、思ったように活動が始まらない。続かない。

「何を用意するか」までは考えられても、

そこからどう活動を展開させていくのか。

ここに悩んでいる保育者は、案外多いのではないでしょうか。

今回紹介した年中組の線路づくりも、そんなところから始まりました。

「線路を作りたい」という子どもの言葉を受けて、保育者は環境を用意しました。

でも、子どもたちは少し触っただけで離れていきました。

こんなとき、

「それほど興味がなかったのかな」

「まだ意欲が弱かったのかな」

と考えてしまうことがあります。

でも、この保育者は、子どもではなく、自分が用意した環境の方をもう一度見ました。

画用紙は破れやすい。

並べてもずれる。

机は狭い。

そこで、素材や場所を変えてみる。

すると、子どもたちが動き始めました。

大切なのは、「段ボールを使えばうまくいく」ということではありません。

子どもが動かなかったときに、

その理由をすぐに子どもの「興味」や「意欲」に求めないこと。

子どもと環境との間で、何が起きているのだろう。

そう考えて、自分がつくった環境の方にも問いを返してみる。

私たちは、こうした保育者の関わりを「足場かけ」という視点から、もう一度考えてみようとしています。

足場かけとは、子どもを保育者が考えた方向へ動かすことではなく、

子ども・モノ・空間の間に、さらに何かが起こり得る条件を開いておくこと。

今回も、環境を変えたことで子どもたちが動き出し、そこから保育者が最初から決めていたわけではない、新しい問題や試行錯誤が生まれていきました。

子どもを変えようとする前に、

子どもと環境との関係を見直してみる。

活動が動かなかったときにこそ、見えてくる保育があるように思います。