場所の再構成 – 年少組で続いていた海賊船づくり-足場かけを考える3








― 足場かけを考える③ 場所の再構成 ―
年少組で続いていた海賊船づくり。
子どもたちから「色を塗りたい!」という声が出たので、思いきり色を塗れるように、海賊船を保育室の奥から広い場所へ移しました。
子どもたちは、思いきり色塗りを楽しみました。
ところが、その後。
海賊船を作る姿がなくなりました。
写真を掲示する。
素材を置く。
もう一度活動が動き出すきっかけをつくってみましたが、それでも海賊船づくりには向かいません。
「もう海賊船に興味がなくなったのかな」
「製作する意欲がなくなったのかな」
そう考えることもできます。
でも、そこでそれまで何が起きていたのかを振り返ってみました。
それまで子どもたちは、
作る
↓
ごっこ遊びをする
↓
「これがあったらいいな」が生まれる
↓
また作る
ということを繰り返していました。
場所を移したことで失われていたのは、製作するための素材ではなく、「作る」と「遊ぶ」がつながる循環だったのかもしれません。
そこで、海賊船をごっこ遊びをしていた元の場所へ戻しました。
すると、ごっこ遊びが始まり、再び海賊船を作る姿が見られるようになりました。
子どもが動かなくなったとき、
「興味がなくなった」「意欲がない」と、子どもの内側だけに理由を探さない。
子どもと環境との間で、何が起きているのだろう。
そう考えて、保育者自身がつくった環境の方にも問いを返してみる。
今回、広い場所に移したこと自体が間違いだったとは思いません。
思いきり色を塗るためには、その場所が必要でした。
ただ、子どもの活動が変わったときには、環境もまた、その時々の子どもの姿に合わせて再構成していく。
その場所で積み重ねてきた遊びや経験も、環境の一部。
今回の海賊船づくりから見えてきた「足場かけ」です。

