主体的な姿と思って良いのか? – 足場かけを考える4

― 年長組 雛人形製作から考える ―

足場かけを考える④「いい姿」で、子どもの理解を止めない― 年長組 雛人形製作から考える ―

子どもたちは夢中になって雛人形を作っていました。

本物をよく観察し、細かなところまで丁寧に作る。友達との相談や協力も生まれている。

一見すると、とてもうまくいっている活動です。

でも、ひなまつり集会はもうすぐ。

このままでは間に合わないかもしれないのに、子どもたちに焦る様子はありませんでした。

そこで保育者の中に生まれたのは、一つの問いでした。

この子たちは、どうしたいのだろう。

間に合わなくてもいいから、最後まで丁寧に作りたいのか。

それとも、自分たちの雛人形でひなまつりをしたいのか。

そこで翌朝、保育者は「残っている作業」と「ひなまつりまでの時間」を見えるようにしました。そして、子どもたちの願いを確かめると、「間に合わせたい」という思いがありました。

保育者は見通しや計画の可能性を伝えました。

すると子どもたちは状況に気づき、「間に合わせる」ことを意識して動き始めました。

完成した子が友達を手伝う姿も生まれ、最後はみんなで作った雛人形でひなまつりを迎えることができました。

「意欲的に作っている」

「製作も丁寧」

「友達との関わりもある」

一見うまくいっているように見える姿の中にある、小さな違和感を感じ取る。
「いい姿」で、子どもの理解を止めない。

子どもが何を願い、今の状況をどう捉えているのか。

そして、今のこの子たちなら何に気づき、どう動けるのか。

子どもと状況との関係を組み替える。

そこから始まる足場かけもあるのだと気付かされた事例でした。